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創律のよもやま話~ウッドデッキ/タイルデッキの作法~

皆さんこんにちは!
有限会社創律工業、更新担当の中西です。

 

今回は

ウッドデッキ/タイルデッキの作法

 

庭の“第二のリビング”となるデッキ。
素材の選択と下地ディテールで寿命と快適性が決まります。
ここでは「人工木 vs 天然木 vs タイル」比較から、基礎・排水・安全・メンテまでを体系的に整理します。


① 素材比較と選び方

種類 特徴 メリット 注意点
人工木(樹脂+木粉) メンテナンス性◎ 反り・割れが少なく塗装不要 熱くなりやすい。熱膨張を考慮した目地設計を。
天然木(ハードウッド等) 自然素材・高耐久 手触り・質感・強度に優れる 経年銀灰化・年1回オイルメンテが前提。端部割れ対策必須。
タイルデッキ モダン・清掃性◎ フラットで掃除しやすい 凍害・滑り防止に屋外用タイル+弾性目地を採用。

選び方の目安

  • メンテ重視 → 人工木

  • 質感重視 → 天然木

  • スタイリッシュ・掃除重視 → タイルデッキ


② 下地・基礎・通気・排水

  • 束石/独立基礎
     凍結深度・地耐力に合わせた根入れ。根太間隔=300〜400mm目安。

  • 通気
     デッキ下には常時風が抜ける構造を。幕板をつける場合も換気スリットを設ける。

  • 排水
     勾配1%で建物外へ流す。
     落ち葉対策のドレン清掃口を設置し、詰まりを防ぐ。


③ 建物との取り合い・防水・防蟻 ️

  • サッシレベル:室内床より -50〜-100mm を確保し、逆流(浸水)を防止。

  • 外壁との離隔:10〜20mmのクリアランスで水切り+清掃性を確保。

  • 防蟻・防食対策
     天然木の土間直付けは避け、金物はステンレス製を使用。異種金属接触(電蝕)に注意。


④ 段差・手すり・転落防止 ♿

  • ステップ寸法:踏面300mm × 蹴上150mmが基本。ベンチ兼用も◎。

  • 手すり高さ:H=900mm、隙間100mm以下で子どもも安全。

  • 端部仕上げ:角をR処理・面取りしてひっかかりを防止。


⑤ 熱・滑り・汚れ対策

項目 対策 備考
熱対策 人工木は高温化しやすいため、シェード・庇・植栽で日射コントロール。 夏季対策必須
滑り防止 雨天時は粗目テクスチャ材や滑り抵抗値を確認。 タイルはR≧9目安。
汚れ対策 泥はね防止に立上り200mmの見切りを。 下地の防草シート併用で清掃負担軽減。

⑥ タイルデッキ特有のポイント

  • 外部用接着剤+弾性目地で熱伸縮や微振動に対応。

  • **笠木(天端見切り)**を設けて上面からの浸水を防止。

  • 凍結地帯では吸水率の低いタイル(磁器質)を選定。

  • 側面化粧で見た目も仕上げもスマートに。


⑦ メンテナンス計画 ️

材料 年間メンテ内容 補足
人工木 年1回の洗浄・隙間清掃 高圧洗浄機は低圧モード推奨
天然木 年1回のオイル塗布・ビス締め直し 色変化も味として楽しむ発想を
タイル 目地洗浄・必要に応じトップコート コケ・カビは早期除去

⑧ ケーススタディ

LDK直結のアウトドアリビング

  • 課題
     室内との段差を小さくしたいが、逆水が不安。夏場は床温度上昇も懸念。

  • 解決策
     ・段差 -70mm + 排水スリットで安全側へ。
     ・可動オーニング+落葉高木で夏季の日射をカット。
     ・足元灯を仕込んで夜間の動線を確保。

結果:屋内外の一体感を保ちながら、四季を通して快適な“第二のリビング”に。


⑨ まとめ ️

  • デッキは 「基礎 × 通気 × 防水」 で寿命が決まる。

  • 素材ごとの個性を理解し、建物との取り合いを丁寧に処理することが成功の鍵。

  • 住まいと庭をつなぐデッキは、暮らしのリズムを外に延長する装置

だからこそ、「設計・施工・メンテ」すべての段階で呼吸するデッキを意識しましょう。

 

 

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