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創律のよもやま話~目隠し設計~

皆さんこんにちは!
有限会社創律工業、更新担当の中西です。

 

今回は

視線コントロールと採光・通風

 

「隠す」と「見せる」の境界は、角度と距離で決まります。
全面を壁で塞ぐのではなく、視線のベクトルを読み解きながら部分遮蔽を重ねるのが快適な外構設計のコツ。


① 視線の種類を分解する

視線の方向 主な発生源 有効な遮蔽高さ・手法
道路からの通行視線 歩行者・車両 H=1.2〜1.6mの遮蔽で十分。腰壁+植栽で柔らかく。
隣家1階からの座位視線 隣家リビング・玄関 H=1.4mを基準に板塀や常緑樹を配置。
隣家2階からの俯瞰視線 バルコニー・窓 上部ルーバー、パーゴラ+つる植物で“角度”を遮る。

ポイント:視線の高さ・角度を「立体的に」捉えると、遮蔽物の配置が格段に洗練される。


② 透過率を操る

素材 開口率・寸法 特徴・効果
板塀 板幅90〜120mm/隙間10〜20mm 通風+目隠しを両立。影の濃淡も美しい。
パンチングメタル 開口率20〜40% 視線を“ぼかし”、風と光を通す。
ガラス(乳白・リブ) 昼:外→内見えにくい/夜:逆転 照明計画とセットで設計。

透ける=抜け感。完全に閉じず、光と風のリズムを残す。


③ 採光と陰影のデザイン

  • 反射光の活用
     白系の壁・床で間接光を反射。
     → 夏は眩しさを抑え、冬は明るさを確保。庇の長さで調整。

  • 影の演出
     縦格子・木漏れ日を利用して、時間の移ろいを感じる陰影を作る。

外構は“影”が主役。
 昼夜・季節で変化する光をデザインに取り込む。


④ 通風・臭気・音の通り道 ️

項目 ポイント 対策
風上・風下を把握し、抜け方向へルーバーを向ける。 通風孔やスリット配置をシミュレーション。
臭気 BBQ・喫煙・生ゴミは風下へ誘導。 背の高い塀の“風下渦”を避ける設計。
壁=反射/植栽=拡散・吸音。 二重化(塀+植栽)で効果UP。

“風の道”を読むことは、“暮らしの快適さ”を設計すること。


⑤ 素材とメンテナンス

素材 メンテナンスポイント
撥水・UV対策が命。下端クリアランスで水跳ねを防ぐ。
金属 粉体塗装・溶融めっきで耐候性UP。結露水の逃げ道を設ける。
植栽 常緑+落葉のミックスで季節変化を調整。根と配管の干渉に注意。

素材ごとの“呼吸の仕方”を理解すると、長持ちデザインに。


⑥ ケーススタディ:テラスの半透明スクリーン ✨

  • 課題
     隣地2階からの視線が気になるが、風と光は確保したい。

  • 解決策
     ・開口率30%のリブガラス風パネル+上部ルーバー
     ・夜は足元灯のみ点灯し、逆転透視を防止
     ・植栽の高低差で段階的に視線をカット

“遮る”ではなく、“導く”発想で快適性を確保。


⑦ まとめ

  • 角度 × 透過率 × 距離 の最適化で、“心地よい目隠し”が生まれる。

  • 光・風・影を設計に取り込み、閉じすぎない安心感をデザインする。

  • 目隠しは「防ぐ」ではなく「整える」。
     暮らしの気配をやさしく包む外構づくりを。

 

 

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